近年では女性の起業家も増えてきています。自分のアイデアを形にして社会に貢献し、自立した生活を送るために起業を考えている女性も多いのではないでしょうか。
しかし、女性の起業には多くのリスクや課題があり、準備不足で失敗することも少なくありません。そこで、この記事では起業したい女性に向けて、起業するメリットやデメリット、準備するべきことなどを紹介します。
起業したい女性は増えている?
帝国データバンクが発表した女性社長比率の変化を見てみると、1990年は4.5%、2000年は5.6%、2010年は6.8%と緩やかな上昇傾向にあります。2022年には8.2%と過去最高を記録しました。各年の水準は高くありませんが、増加傾向にあるのは間違いないでしょう。
出典:『帝国データバンク全国「女性社長」分析調査(2022年)』を基に作成
女性の起業家が増えている理由として考えられるのは「女性の社会進出」です。女性が起業しやすい環境が整備されつつあるため、起業までの精神的なハードルは大きく下がっています。
近年ではインターネットやSNSの普及によるビジネス環境の変化によって、女性が自発的に多様なキャリアパスも選べるようになりました。
女性が起業するメリットとデメリット
女性が起業するメリットとデメリットを見ていきましょう。
女性が起業するメリット
起業すれば、自分のスタイルに合わせた働き方が可能になります。仕事とプライベートのバランスを取りやすくなるでしょう。
ビジネスの方向性や戦略も含めて自分の判断で決められるため、さまざまなアイデアをビジネスとして実現させられます。
女性が起業するデメリット
男女平等が当然となった近年でも、男性主導の社会的価値観は一部に根強く残っています。そのため、女性であることがハンディキャップになることもあるでしょう。
また、起業すれば自分の裁量権が大きくなりますが、その結果として自分に厳しい判断をしてしまい、自分の時間や健康を犠牲にしてしまう恐れもあります。
起業したい女性が準備しておくべきこと4つ
起業したい女性が準備しておくべきことは、次の4つです。
・ビジネスプランを作成する
・資金調達方法を検討する
・人脈を広げる
・あらゆるリスクを考える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ビジネスプランを作成する
ビジネスプランは、ビジネスの開始前にビジネスの目的や目標、財務計画などを明確にする基本的な計画です。
ビジネスプランを作成すれば自分のアイデアに自信を持てるだけではなく、多くの支援を得るきっかけにもなります。また、ビジネスプランは将来的な事業拡大の方向性と成功へのロードマップにもなります。
資金調達方法を検討する
起業に必要な資金は多岐にわたりますが、自己資金だけでは不十分な場合があります。思わぬ資金不足を避けるためにも、事前に資金調達方法を検討しておきましょう。
資金調達方法には、銀行融資、投資家からの資金調達、クラウドファンディング、ビジネスパートナーとの共同出資などがあります。自分のビジネスに合った資金調達方法を選び、それに応じたビジネスプランを作成することが大切です。
資金の調達が難しい場合は、女性向けの資金調達制度「女性、若者/シニア起業家支援資金」や、設立資金応援制度「女性起業チャレンジ大賞」などの利用を検討してみましょう。
人脈を広げる
ビジネスを始める際には、顧客、投資家、協力者、アドバイザーなど、多くの人々とのつながりが必要になります。人脈を広げておけばビジネスに必要な人材と出会える機会が増え、起業成功にも有益です。
人脈を広げる方法としては、ビジネス関連のイベントやセミナーへの参加や、SNSを活用したつながりなどが考えられます。
あらゆるリスクを考える
起業する前に、可能な限り多くのリスクを予測して対策を考えおきましょう。ただし、すべてのリスクを完全に予測することはできません。また、リスクを過度に心配すると、チャンスを逃す可能性もあります。
起業には不確実性とリスクが伴うことを理解したうえで、問題発生時に対処するための戦略を用意しておきましょう。
女性が起業するまでの方法3つ
女性が起業するまでの主な方法を3つ見ていきましょう。
実務経験を得てから起業
実務をこなしながらビジネスの流れや業界の内情、課題などを学び、起業する分野のスキルと知識を習得してから起業する方法です。
この方法で起業する場合は、大企業よりもベンチャー企業のほうが適しています。ベンチャー企業は少人数で運営するケースが多いため、早い段階から重要なポストに就いて、さまざまなスキルを学べる可能性が高まります。
新規事業の立ち上げメンバーを経験してから起業
新規事業の立ち上げを実務で経験してから起業する方法です。起業したい分野の知識があっても、事業立ち上げの経験がなければ起業の手順がわからず、手詰まりになってしまう恐れがあります。
しかし、新規事業の立ち上げメンバーを経験しておけば、起業の当事者として経験をすることが可能です。組織のバックアップ下で得られる多くの経験は、起業後も大きな武器になるでしょう。
副業から起業
副業から小規模で起業する方法です。副業から始めれば、リスクを抑えながら起業の実践経験を積めます。失敗したときの損失も最小限で済むでしょう。
副業でも起業のアイデアを練り上げたり、市場の需要やビジネスモデルを検証したりすることは可能です。ただし、本業とのバランスと時間的な制約を考慮する必要はあります。
まとめ
近年では、女性の企業も低水準ながら増加傾向にあります。起業する際にはメリットとデメリットを確認したうえで、リスクを最小限に抑えられるようにしましょう。自分に適した資金の調達方法や、起業までの方法を考慮することも大切です。
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